あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、だいぶ更新間隔が開いているこの頃ですが、一応まだ存続中でございます。
ただミケくんも私も日々の生活でひーひーしてますのでなかなかこっちまで手が回らない
と云う状況ですね。
ま、そこは御堪忍を!!
今回紹介したいのは本です。
タイトルは『詩羽のいる街』
中身は4つの短編になっています。
最初は短編だったことを知らなかったので1つ目を読み終えてみて
「これがどういうふうに次の章につながるのかな。わくわく。」
と図書館の中で口に出してぼやいていたら通りすがりの人に怪訝な顔をされてしまいました。
このときこの人の反応からしてこの本が一般の人にまで浸透した駄作なんだと後悔しました。
「なんでもっと早く教えてくれなかったんだあああぁぁあ?!!!」
とその人に言い寄ろうとしたところ
「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!(阿鼻叫喚)」
と叫び、逃げていくではありませんか。唖然としました。これでは私がまるで変質者です。
このままではどんな疑いをかけられるかわかったものではありません。
こっちも一目散に逃げました。もちろん逃げて行った人と同じ方向に。
話が脱線しましたが2章に入って気がついたのは1つの章で1つの物語を扱っているのだと云うこと。
これを短編と言います!・・・はい、また話が逸れそうなので無視します。
実は私は短編が苦手なのです。前の章の余韻に浸っているところに次のぜんぜん違う物語が入ってくると
不快なんですね。
なので内心「失敗したな・・・。」と思いながらそれでもちょっとは読んでみるかと思い読んでみると
なるほど話の根幹はつながっているのだと云うことがわかったのです。
もちろんその後の3,4章も同様です。
短編かと思ってこの4つの章を順に読まないと意味不明と云うか面白さ半減以下です。
そう、前の章の上に次の章が積み上げられているのです。
そして最終章の4章でそれらがすべてつながります。
本のあらすじは各章の主人公が詩羽という謎の多い女性に会って彼女と彼女を通して知り合う人々
と会話・関わり合っていくことで幸せだと思える方向に主人公の気持ちが変わっていくというものです。
ここで彼女を通して知り合う人々というのは主人公と同じく彼女を通じて利益を得ている人たちなんです。
詩羽は言ってみればコミュニティを構築していくその中心人物。
AさんとBさんの利害が一致するようにうまく立ちまわっていきます。
ただある2人を関連付けていくのではなく利害があるならば何人でも関連付けていき、
彼らが住む街全体に大きなネットワークを作っていきます。
彼女一人が仲介するだけで物事がうまく運んでいくんですね。
多分これからの社会にとっても大事なヒントが隠されている本だと感じました。
それとこの本の中に『戦まほ』という漫画が登場するんですが、タイトルだけみると苦笑モノなんですが
魔法が使えるようになった少女が戦場に赴いて戦争を終わらせるために孤軍奮闘し、翻弄されていくという
なかなか面白そうな内容で興味をそそられました。
結末も書かれていますので是非こっちにも注目していただきたい。
クロ